【レビュー】『なぜ、お客様は「そっち」を買いたくなるのか?』理央周

シェアする

売ろうとするから売れない!顧客創造を!

理央周さんに、先月サインをして頂いた最新刊本ですので、集中しながら、じっくりと読ませて頂きました。


なぜ、お客様は「そっち」を買いたくなるのか?』理央周

マーケティングを理論的に考えると、難しい印象が残ります。

今回の本は、2択問題から選べるマーケティング入門の一冊というだけに、実に、1テーマごとにコンパクトに考えることができます。

Q. 新しくオープンしたパン屋さんのキャッチフレーズ、繁盛するのはどっち!?

A. とにかく美味しいメロンパン   
B. 何でも美味しいパン屋さん

このような切り口を提示して、簡単な実例で比較分析をしながら読み進めることができます。顧客目線に立ち、何が大事なのかを考え抜くことの大切さが伝わります。

上記の設問であれば、目玉商品をアピールできるという意味で、いろいろなパンを売っているとしても、美味しいメロンパンを強調するキャッチフレーズが効果的になります。

このような事例を読みながら、私は、自分の頭で、ある比較を考えてみました。

商店街とショッピングモール比較

世の中には、総合○○と名前がつくビジネスを主力とする企業が、がスケールを活かして、業績を伸ばしてきました。何でも取り扱い、幅の広い領域を抱えることにメリットがあり、顧客に安心感を与える時代がありました。

今は、総合○○系の企業は、大半は、苦戦しています。結局、顧客から見てわかりにくいと感じさせています。

郊外のアウトレットモールも、中にある店舗は、何らかの専門店の集合体。
昔ながらの商店街も、それぞれ特徴と個性がある店舗の集まりでした。

image

両者のモデルは、実は似通っているのではないでしょうか。

その両者に差がついた理由も、マーケティング的に考えることができます。

共働きで働くような家庭が増えて、平日の夕方に、商店街でゆっくりと買い物ができる消費者が減少しているのです。

結果として、仕事帰りにコンビニや駅近のスーパーに立ち寄ったり、休みの日に大型スーパーに買い出しに行くような方は、商店街を利用することはないでしょう。土日メインで展開するような商店街があれば、前提は変わりますが。

商店街の営業時間と、顧客が来店する時間が噛み合ないため、来客数は伸びません。足を運んでくれるのは、時間にゆとりがあり、今までの関係性がある、高齢者が中心になり、活気を失い、商店街スタイルは、徐々に姿を消していかざるえない状況に追い込まれています。

たとえば、商店街の営業曜日や時間を顧客目線に立って、今までのスタイルから変えることができれば、再生の道は生まれるかもしれません。

商店街は、後継者不足も伴い、徐々に、代替わりをせずに、廃業されて、店舗が減ってきました。シャッターを下ろした店が増えたり、住宅に立て替えられて、色々なお店が集まっているという本来の商店街のメリットを失えば、廃れていくのも仕方ありません。

何でもあるはずなのに、自分にとって欲しいものがない!ということは消費者から見れば、ストレスです。

特徴のある専門店を集めて、競わせていく今の時代のスタイルは、店子である店舗側の立場で見れば、シビアな環境です。テナントの入れ替わりも激しいのも納得できます。

全国どこに行っても、同じようなショッピングモールが増えて、同じようなチェーン展開している店舗が入っていることで、没個性と批判されています。

image

現在のショッピングモールのような形態であっても、それぞれが個性を出し、集約力が高ければ、生き残れるのでしょう。もし、存在価値が顧客から見放されれば、商店街と同じ道を歩むことになるかもしれません。

マーケティングへの完全な正解はないけれども、常に移り変わる状況に対して、頭を使い続けながら、顧客の価値を創造すること(P・F・ドラッカー)

顧客に選んでもらえるような仕掛けをしっかりと作り込むことの重要性を感じられた一冊でした。