【レビュー】『怒らない子育て』武田双雲

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なぜ、怒る子育てになるのだろう?

「もう知らないからね!」

「いい加減にしなさい!!」

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子どもに対して、怒る親。良く見かける存在です。

私自身も、子どもに対して、怒ってしまうことはあります。世間で、叱るのは良いが、怒るのは良くないと言われているのにも関わらず、歯止めの利かない感情が爆発する。

やってはいけないことをしたり、言うことを聞かないなど、その時々、理由は様々ですが、親は子どもに大きな声を上げて、怒っている場面。

いったい、どうすればいいのでしょう。世間一般の子育て論を読んでも、どうも、上から目線の印象が拭えません。わかっちゃいるけど、止められない親として怒る行為をダメだしされても、理解はできても、具体的な行動策にならないので、キレイごと印象が強い書籍は、正直多いです。

科学的というよりも、当事者として実践した方の子育て本として、書道家として有名な武田双雲さんの一冊を読みました。


「子どもといること」がもっと楽しくなる 怒らない子育て武田双雲

なんとも、ポジティブシンキングな人です、武田双雲さんは。

三人の子育てをしながら、子どもたちと、家族とどう付き合って行くのか。
具体的な例もあげながら、語りかけてくれます。

“親の言う通りにやっておけば怒られなくてすむ、親が怒らないように行動しようという動機は、その子の思考を止めてしまいます。”

怒られるのが嬉しいなんて、子どもはいません。親の顔色を見て、行動する子どもに自立性は育ちません。価値基準が親にあれば、自分自身と向き合うことなど考えないまま、生きてしまいます。

“「人は言えば行動するはず」という前提だと、動いてくれないときに、なんでこの子はわからないんだろうってイライラします。でも、「人は言葉で動かせるもんじゃない」っていう前提に立つだけで気分的にラクになる。”

いわゆる、指示言葉。あれをやりなさい、これをやれ、という言葉は、「命令」にすぎません。言われたからやるという強制力は、実際は弱いものです。言葉だけで人は動かないという、当たり前の点を見失うと、子育ても、生き方もつらくなるのです。

“僕たち親は、「目の前の子ども」と「自分の理想」のギャップで悩みます。だから、ここで、期待とか理想はいったん捨てましょうと言いたい。子育ては、その子の個性と自分の個性のコラボレーションだから。
子育ては、親子のコラボレーション芸術。”

子どもが生まれる時に、名前にこめた親の思い、こんな子ども、大人になってほしいという願望。実際の子どもの姿との違いに対して、残念で、いらだつことは、誰もが良く感じていると思われます。そこを親子のコラボレーション芸術として取り組もうという点は、さすが、書道家さんらしい着眼点だと思いました。

イライラする感情に向き合い、対処方法をレベル分けして書かれています。
どれも難しいことではなく、イライラした時に、少しだけ冷静になるきっかけが必要だというスタンスは、納得感があります。

そして、家族のコミュニケーションのキーワードは、「上機嫌」であること。

確かに、家族で楽しく、ワクワクする場面を増やす為には、全員が、上機嫌であることが前提になります。誰か1人がイライラしたり、落ち込んでいたら、楽しくありません。

さらに、親は「言葉力」を磨くということ。
押し付けるのではなく、相手に伝わる言葉で繰り返すという行為の重要性。

子育てしている、今を楽しみ、感謝するというスタンスの自然体さが、武田双雲さんらしく、無理なく、誰もが真似したいポイントです。。

子育てをするパパの目線だけでなく、各章に奥様の目線も書かれている点。とても、親近感が湧く一冊でした。

怒るよりも、自分が何を子どもに伝えて、楽しく、自分で考える子どもに成長させてあげられるかを、じっくり考えたくなりました。

家庭ではパパのサラリーマン同志の方も、仕事に疲れて、家庭でもバタバタがあると、本当に疲弊してしまうでしょう。子どもが言うことをきかないという状況は、仕事以上のストレスで、家庭から逃げ出して、ゴルフに向かう気持ちもわかります。でも、自分と一緒に暮らせる時間は、限られており、子どもも、年齢によって、自分との距離感が変わると言います。

私は、サラリーマンのサポーターとして、皆さんを支えたい気持ちの一部に、プライベートの充実という課題も考えています。お子さんが家庭にいる方は、毎日、少しでも会話を楽しみましょう。自分の話をしても良いし、子どもの話を聴いてあげることも素敵な行動です。家庭でのコミュニケーションこそが、仕事とのバランスの鍵だと私は考えています。