【レビュー】『37の病院・医師をまわり 僕はがんを治した』福島正伸

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ガンを治す!治療を諦めない粘りと感謝の思い

日本人の死亡原因トップは、ガンであるというのは、疑いようのない事実。
日本人の2人に1人がガンにかかり、3人に1人がガンで亡くなるという。

有名人であれば、当然、ニュースになりますし、身近な方にいれば、闘病の苦しさを間近で見ると、耐えられない気持ちが襲ってきます。

歌舞伎役者の中村勘三郎さんの食道ガン(別の病気説もありますが)について書かれた一冊を読んでも、闘病記を語る中身は、なんとも切ない気持ちと愛にあふれています。


中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて波野好江

他の本も同様ですが、結局、家族と本人の手記が語る最後の時間という形式が多く、涙を誘う場面は多くても、いたたまれない気持ちが残ります。

全く違うタイプの一冊の闘病奮闘記を紹介されている書評を読んで、福島正伸さんの37の病院・医師をまわり 僕はがんを治したに興味を持ち、じっくりと読みました。

「他人の成功を応援すること」を生き甲斐とされ、アントレプレナーセンター代表取締役であり、著者であり、研修、講師も担当して、広く活躍されてきた、福島正伸さん。

2013年に「中咽頭ガン」を宣告されてから、37の病院・医師をまわり、ガンを治したという事実に基づいた一冊です。

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37の病院・医師をまわり 僕はがんを治した

”自分の命を諦めてはいけない。医者が10人いれば10通りの処方を言う。たった1人の処方で落ち込むことはない。助かる道は必ずある。私はその最後の1人に出会うまで探し続け治ると信じて命を託した。”

医学は、確立された専門分野であるにもかかわらず、医者の見立てで、判断が変わってしまう。ガンである以上、外科手術、放射線治療、抗がん剤治療などの主要な治療法に向かうのが一般的。各医者も、自分の専門分野での治療を勧めるのは仕方がないのかもしれない。

福島さんは、自ら調べ、病院と医師を捜し続けて、治すために、ベストな道を探し続けられました。毎回、病院で同じような検査をして、診察費用も高額にかかっていても、納得するまで、探し続ける姿。普通のがん患者では難しいでしょう。

最終的に、陽子線治療に委ねて、治療を続けて、副作用的なものと戦い続ける様は、読んでいて、痛みが伝わる内容でした。

その過程で、福島さん自身は、他人や医療関係者、ガンに恨みや苦しみをぶつけるのではなく、感謝の気持ちをもって、周りと関わっていく姿には驚かされました。

“すべてを楽しみ、すべてに感謝、この瞬間を生きる!”

大病と戦うなかで、自分自身の痛みや苦しみと向かいあいながらも、周りへの感謝の言葉を続けていきます。

数年前、私の叔母は、大腸ガンでこの世を去りました。

手術の段階では対応することは難しく、抗がん剤と放射線治療の日々。その苦しむ姿は、いまだに忘れられません。本当は、もっと別の治療方法があったのかもしれない。もっと、前に気づくために、ささいな異常を感じた時点で、病院で検査をしてもらえば防げたのかもしれない。

統合的な医療判断を行い、治療方法を自由に選択して、納得したうえで、治療を受けたい。せめて、検査結果程度ならば、本人の了承さえあれば、医療機関で共有するような仕組みをもっと確立して欲しい。また、セカンドオピニオンに躊躇することなく、医療のプロから、多角的に見てもらい、複数の治療法を患者に選ばせるような環境が整うことを願っています。

私も、最近、医療機関、医者への信頼という点では、揺れました。患者の意見や声よりも、数値を基準に、薬を処方するだけだったり、痛みや苦しんでいる個人への配慮が欠ける場面に遭遇しました。

たくさんの患者を診察しなければいけない。一人一人の患者の症例をじっくりと考える時間がない。医者側にも、色々な事情があるのは理解できます。

サラリーマン同志の皆さんも、ある年代まで来ると、身体にガタがきて、不調を訴えたり、病気になる方が増えてきます。医療の専門家である、医者を信頼するのは当たり前の話ですが、自分自身のことを一番理解しているのは、やはり、自分なのです。生活習慣を見直したり、日々、健康の為に、改善できることには取り組んでいきましょう。少し多めに、早めに歩く、といったレベルからでも良いと思います。

少しでも健康で、長生きして、幸せな時間を長く過ごすために必要なことです。