【レビュー】『未来から選ばれる働き方』神田昌典・若山陽一

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会社がなくなる時代?!キャリア革命?!

会社の存在があってこそのサラリーマン・サラリーウーマンという立場で働いている人は、私も含めて、会社に所属して、どんな仕事をするのか、という観点で物事を発想します。

今の会社が良い、悪い、次の転職先の企業はどこがいいのか。

そんな発想を破壊してしまう一冊を見つけてしまいました。

未来から選ばれる働き方 (PHPビジネス新書)』神田昌典・若山陽一

“「会社がなくなる時代」のキャリア革命”というサブタイトルが刺激的すぎて、ドキドキしながら、読みました。

経営コンサルタントとして著名な神田昌典さんが語る未来像。

2024年までに「会社」は一度、死ぬ。働き方はどう変わるのか?活躍できる人、組織の条件とは?

この前提で話が展開されていきます。

積み上げられる、最近のトピックスとして、エアビーアンドビーなどのプラットフォーム型ビジネスの存在などの事実から積み上げていく論は説得力がありました。

確かに、人を育てるよりも、ロボットを創る時代に変わりつつあり、誰にでもできる仕事は、この世から消えてしまいかねないならば、現在の会社という枠組みはいらなくなるのかもしれません。

不安を煽るだけの書物なら、途中で読むのやめたくなりますが、こちらを惹き付ける展開を用意しているのが、神田さんらしさです。

“ハイブリット型人事とは、「組織ビジョンに共感し集ってきたチームメンバーが、それぞれのワークライフスタイルで、求められる責任を果たしながら、自己実現していく最適な場所と制度を創り上げる試み」ということになります。”

もはや、正社員として雇用されることが前提の時代ではなく、やはり、プロジェクト単位でプロフェッショナルが集まり、仕事をしていく時代に変わるというのは理解できます。

この本は、共著であるため、もう1人の著者、UTグループ株式会社代表取締役社長の若山陽一さんと交互に章が展開されています。

いわゆる、製造派遣業界で、正社員を工場に派遣するスタイルを確立し、紆余曲折を経ながら、世界中に仕事を創ることをミッションとされています。

どうして、この二人の共著で、会社がなくなるという話をしているのか、理解に苦しみました。

神田さん自身、自らが経営していた会社を、自分の健康問題を気に、社員を全員離した経験から、新しい会社経営、雇い方的なものを発見していきます。雇用形態の重要性ではなく、仕事をプロと一緒に展開していくことには、所属は関係ないということを身にしみていた方。

若山さんは、工場作業員が技能アップを考えて、キャリア開発をしようと、登録型の派遣ではなく、正社員派遣というスタイルを切り開いてきた方です。

どうも二人から共著がまとめられるのが違和感がありました。

4章に来て、ようやく理解ができました。

“コネクティング・インテリジェンス(CI)とは、「内面と外面のズレをなくし、常に、それらを一致(コネクト)させていく知性」ということになります。”

内での思考と、外での行動が一致する、知行合一的なアプローチが重要であるという観点で二人は共通というアプローチでした。

フィリップ・コトラーの「マーケティング3.0」まで話が飛躍していきます。

理想(経営理念)と現実のギャップがなく、地域(地球視点)で活躍し、顧客へのメッセージと実際にズレがなく、ビジネスモデルを構築すること。

一気に、最新のマーケティング学習本に体裁を変えました。

最後には、お二人の対談形式で一冊が終わります。

私には、どうしても、共著にされた意図がわかりませんでした。

会社がなくなり、正社員の存在がなくなるのに、正社員を多く抱える人材会社の社長と一冊をまとめるのには、無理な設定を拭えませんでした。

もちろん、どこに所属する、誰であっても、キャリア開発というものが重要になるというのは、大前提として理解できます。

1つ1つの話は、深いテーマで良かったのですが、期待度を上げて読んだ私の過剰な思いが影響しているのでしょう。もう一度、読み返せば、理解は深まりそうです。

サラリーマン・サラリーウーマン同志の皆さん、不安を感じる要素も多いのですが、この一冊を読むことをオススメします。自分の考え方と未来というのを見つめること、キャリア開発の必要性を理解することには繋がります。