お金を支給して貧困格差が減り、労働時間も少なくなる未来が幸せだ!と若手ジャーナリスト・歴史家が語る

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ベーシックインカムで世界が変わる?!

日本では、生活保護、奨学金、母子家庭保護のための各種福祉プログラムなどが存在している。これら全てを廃止するとしたら、生活に困る人たちはたくさん生まれてくると想像できる。

全ての個人に年間150万円などのお金を直接支給する。

施しではなく権利として必要最低限の生活を保障するお金を渡すという考え方。

ルトガー・ブレグマンの『隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働』は、このような切り口から展開されてくる一冊です。

NPOや行政機構を経由せずに、ダイレクトに金銭を渡すことが効果的だと言う。

直接現金を全ての国民に渡したら、働く意欲を失い、人間は堕落してしまう。

だいたい、150万×1億人に支払う原資は、国民から得た税金なわけで、増税しなければいけなくなる。

普通ならば、このブレグマンの主張は、受け入れるのが難しいと判断するだろう。

制度や仕組みを無理矢理つくり、その運営に人件費や手間をかけることを省略すれば可能なのだと提案してくる。

私や家族、知り合いに、このベーシックインカムがあればどうなるのだろう。

もし、失業や何らかのトラブルがあり、働けない状況に陥っても、しばらくの間(数ヶ月程度だが)は、乗り切れると思われる。いわゆる、生活資金の収入補償型の保険商品とどう程度の考え方になる。もちろん、失業保険給付という形は必要なくなる。ハローワークで行う手続きが不要になる。当然、業務を遂行する人間の人件費・事務手続き費用が不要になる。

では、ベーシックインカムがあれば、働く気力を失うのだろうか。

間違ってはいけないのは、支出が無制限にフリーなわけではなく、一定額のお金を全国民が等しく手に入れる仕組みになるので、無収入生活を続けるには無理がある。

福祉は必要な一部の人にだけ行き渡ればいいのではなく、その不平等なコスト配分や運営コストを廃止することに価値があると指摘する。

斬新で驚きの説を述べている。一瞬、理解に苦しむが論を進められると納得させられる。

さらに、そこで、労働時間と生産性、AIの話が展開されてくる。

1日3時間労働になれば、残りの時間をどう使うだろうか

昔の人は、国を問わずによく働いたらしい。週60時間、80時間を越えていたそうです。いまなら、間違いなくブラック企業扱いの条件です。今も、実際は同程度の労働時間を費やしている人もいるでしょう。

1日当たりの労働時間を減らしたら、企業組織として生産性が下がるのでしょうか。

ブレグマンの答えはNo!です。

長時間働くことで、労働生産性が落ちるし、人間の喜びとして余暇が増えなければダメと語ります。

もちろん、わかっているけど、人間にしかできない仕事をコツコツと続けるしかない。

誰もがそんな反論をするでしょう。

切り返すのは、仕事をAIに託すことで、人間は働く時間を減らし、文化的で創造的な活動に時間を振り分けられると提示しています。

確かに、世の中にでは、AIにより奪われていく職業が数多く存在していく未来予想が発表されています。不安を煽られる感覚が強いので、危機感しか与えられていません。

ブレグマンは本のタイトルにメッセージを込めています。

「機械(AI)に隷属するのではなく、本当に意味のある人生を人々が生きる」

AIと競う人間ではなく、AIに委ねて自由に生きる。

しかも、収入の最低限部分は担保された世の中。

なかなか、普通の感覚だとこのビジョンの絵が浮かびにくいので、想像力を要します。

私自身、サードプレイスの活動を提唱し、実践する人間として、自分の時間管理では苦労しています。仕事に必要な時間と日常生活維持に求められるコストを担保しながら、活動するには、工夫が必要であり、場合によっては取捨選択の過程でストレスを感じています。

もし、ベーシックインカムと1日3時間労働がベースの世の中になれば、誰もが、自分の輝けるサードプレイスに取り組める余裕が生まれるはず、と期待が湧いてきました。

新進気鋭の若手ジャーナリスト・歴史家、ルトガー・ブレグマンの著書が自費出版からスタートして、全世界に広く出版化されるという展開力にこそ、世界中の期待感が埋まっているように思えます。

1日3時間労働でベーシックインカムがあったら、あなたは、余裕ある余暇時間で何をしますか?
私と一緒に、サードプレイスを掲げてチャレンジしてみたくなってもらえたら嬉しいです。

ベーシックインカムと労働関連本