月100時間の残業の生み出す価値って、本当に素晴らしいものですか?

残業100時間として、個人の時間をシュミレーション(計算)してみる!

深夜まで残業すると月100時間以上になることも
働き方改革実行計画(案)が固まるまでの議論を覚えているでしょうか?

月間の最大残業を100時間未満か、以内か、などを巡る攻防がニュースに取り上げられていたのは2017年3月頃のことです。

週40時間労働を前提に、月の残業時間は45時間、年間360時間を上限を原則としています。この原則論が聞こえずに、「残業最大100時間/月」論争ばかりが騒がれていました。

あくまでも、「100時間」(月間の最大残業時間)は”特例”という前提をわすれてはいけません。

労使協定を結んだ場合、上回ることができない時間外労働時間を年720時間(月平均60時間)とする。かつ、年720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限、上回ることのできない上限を設ける。

「この上限について、12か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、 いずれにおいても、休日労働を含んで、80 時間以内を満たさなければならな いとする。2単月では、休日労働を含んで 100 時間未満を満たさなければな らないとする。3加えて、時間外労働の限度の原則は、月 45 時間、かつ、 年 360 時間であることに鑑み、これを上回る特例の適用は、年半分を上回ら ないよう、年 6 回を上限とする。」

特例に関する記載が多すぎて分かりにくいです。

つまり

1.残業は月45時間までで、年間360時間を上限。
(45時間×12ヶ月とすると540時間になるのです!だとすると月平均としては30時間が目安になります)

2.残業が平均80時間以内に抑えてください。
(月45時間よりも35時間も多いですが、忙しい時期ならここまでは許容してください!)
→ 過労死に認定される基準時間をもとに作成したと思われる。

3.繁忙期の2ヶ月連続であっても、月間100時間未満に抑えないとダメ!
→ 残業が100時間ですから、週40時間×4週間の160時間に加えての100時間です。

例えば、月30日と計算した場合、週休2日として、22日間働くとします。22日×8時間+100時間=276時間になります。月30日を時間似直すと720時間ですから、月間の38.3%をMAXにしています。

ここに通勤時間も含めた拘束時間が1日あたり、2時間発生すると仮定します。

22日×(8時間+2時間)+100時間=320時間

とすると、通勤等も含めた月間の最大の仕事シェア時間が44.4%になります。

仮に、1日7時間睡眠と必要とした場合、

22日×7時間=154時間

加えて、生活時間(食事、お風呂など)が1日3時間と設定した場合、

22日×3時間=66時間

最大残業時間+通勤時間+生活時間を計算してみると

320+154+66=540時間

540÷720=0.75 となります。

つまり、月間の75%は固定された時間になります。

25%分、つまり、月間180時間(720−540)が残る計算になります。

1日6時間も残る?!

何かがおかしい。

1日6時間とありますが、これは平均値。月8日休めたと仮定すると、休日1日あたりの自由時間が14時間になります(24時間−睡眠7時間−生活時間3時間)
14時間×8日とすると、月間112時間が休日で消費されることが計算上で見えてきます。

とすると、残りの22日間の1日あたりの余裕時間が、68時間(180−112で計算)になり、労働日の余裕時間が3時間になります。

あれ?時間がある?

ここに加味されていないのは、人間の疲れの問題です。疲れは一時的なものもありますが、蓄積されていきます。

労働時間と言われる部分が増えると、結果として生産性が落ちるリスクが生まるのは、ここにポイントがあります。

また、生活時間を3時間と計算していますが、本来、3時間では収まりません。おそらく細切れ時間も含めると5時間程度は必要になるでしょう。

とすると、労働日の余裕時間が1時間になります。

引き算と割り算の机上の計算コーナーは終了です。(苦手な方、ご苦労様でした)

まあ、月間残業100時間という基準は、人間の生活という意味では限界を超えている感覚は論理的にも理解できたのではないでしょうか。

残業時間って、何なんだろう?

そもそもの話として、残業時間って何でしょうか。

所定労働時間を超える超過勤務を指します。本来は割増し賃金を払うということになっていますが、サービス残業なども含めると、実質的には強いられる労働時間だという認識があるのではないでしょうか?

しかも、上司が働いている、同僚が頑張っている、という中において、自分だけ残業をしないという空気感には絶えられないのが、横並び意識の強い日本人の性(さが)。

ここが世界的に、日本のホワイトカラーを中心として、生産性が低いと指摘されてしまう点と符合します。

残業をしないと終わらない仕事量、質だとすると、そもそも問題があると指摘されてしまいます。もちろん、個人の能力としてカバーできていないから、時間で担保するならば、業務のスピードアップや効率性を重視したツール運用など、いくつかの改善点はあるでしょう。

長時間働いて、得られる価値って素晴らしいのでしょうか?

モーレツに働く文化が染み付いている国民性なのか、長時間労働は美徳と勘違いしたままの風土が根強いです。

もちろん、仕事が本当に大好きで、趣味の領域に近かったり、寝食を忘れるほど楽しいならば、負担にはならないと思います。そうであっても、疲れが体を襲ってくるはずです。

ミスが出たり、無駄があったり、という工程を見直すと、実は、そもそも、それほど時間をかける必要がない業務やアクションって見えてくるのでしょう。

報告のための資料作成や会議に時間が奪われるケース等は大幅に見直せるポイントがあります。

顧客・お客様次第だから、時間が読めない、納期や期限を守るためには無理をしなければいけない、という声もあります。

確かにビジネスは、個人で簡潔するのではなく、他者に価値を提供して金銭を得るということですから、顧客の意図・依頼に従うというのは当然でしょう。

ただ、全て言われるがままに、動いていると振る舞わされるだけです。

最初から、予算と時間などの制約条件下で可能なゴールを共有していれば、防げることもあるのではないでしょうか?

海外の国の事例を取り上げて、ワークシェアリングが全てとは言い切れません。

結論:残業しても、その分価値が高まるわけじゃない!

過重な労働時間の内訳を確認して、本当に必要なことは何かを確認すること。
そこで、無駄・ムラ・無理をしているならば、何かを減らせないのか考えること。

この2つをベースにすれば、単純な残業時間の上限論争にならずに、本当の意味での働き方改革に無かのではないでしょうか?

合計労働時間ではなく、労働時間の価値を図る意識を持てれば、変わっていくはずなのです。

時間術としては、まずは、足し算よりも、引き算の発想が大事です。

その結果、生まれてくる時間を見出すこと。

また、無理矢理時間を生み出すために必死になるよりも、自分が本当にやりたいことを明確にして、そのために、時間のコントロールをどう行えばいいのか、を考えれば、自ずと、見えてくるポイントがあります。

時間管理・時間術を極めて行くことが、個人の人生を豊かにしてくれる道しるべです。

自分のやりたいこと、夢を実現するために「サードプレイス」を作っていくことを提唱する私としては、時間術の切り口を掘り下げて考えていきます。

あなたにとって、時間の使い方に悩みはありませんか?
もし、何か悩みを抱えたり、質問があるようであればコメントをお待ちしております。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。